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最近、SlackやNotionをClaudeとつないで「顧客管理や案件管理がAIでできます」みたいな話、よく聞くと思います。

実際、うちの社内でもやっていますし、支援先にも導入しています。

顧客管理として便利すぎて最高です。

ただ、あるお客さんを支援してから、世界観がガラッと変わりました。

地方の会社って、ほんっっっっっとうに社内のやり取りをLINEグループでしているところが多いんです。

特に、リフォーム、塗装、工務店みたいな、現場に出る人が多い業界。職人さんも営業も事務も社長も、みんなLINEで連絡を取り合っています。

実は、うちの父親の建設会社も、社内のやり取りは全部LINEグループです。

※ちなみに電話でのやりとりも全部データ取れていない。

で、LINEはSlackやNotionと違って、AIと連携しづらいんですよね。グループのやり取りを、あとからAIに読ませることができない。

なので、こういう会社はAIの話になると「うちはLINEだから、まだ先かな」で止まりがちです。

でも、ここってめちゃくちゃ熱いと思っています。

困っている会社はたくさんあるのに、まだほとんど手がつけられていないので。

実際にやってみたら、LINEグループのままでもできます。

グループの中に記録係として公式LINEを1つ入れておけば、届いたやり取りをその場で受け取れます。

今回最も多かったご支援先は、地方のリフォーム・塗装の会社さんです。

グループのやり取りが自動で記録されて、AIが必要な情報だけを抜き出して顧客台帳に入れて、月報まで自動で作る。現場の人は、今までどおりLINEに書くだけです。

使っているのは、LINE公式アカウントとGoogleスプレッドシートとClaude APIの3つで、ランニングコストは月1,200〜2,700円くらいです。

今回は、その手順を図解つきで全部書きます。

もともと、どんな状態だったか

お問い合わせの入口は、チラシ、紹介、自社のホームページ、LINEとバラバラでした。

お客さんとのやり取りも、電話、メール、LINEが混ざっていて、管理は担当者ごと。事務スタッフさんが顧客管理シートに手で入力していたんですが、営業が個人で持っている情報まではシートに入っていませんでした。

中身を見ていくと、同じ案件を3か所に手入力していたんですよね。

顧客管理シートと、毎月の月報フォーム(30問の自己申告)と、現場ごとの予算シートです。

普通に考えると、ここで「Slackか顧客管理ツールを入れて一本化しましょう」となりがちだと思います。

ただ、新しいツールを入れると、書く場所がもう1つ増えるだけなんですよね。3か所が4か所になってしまう。

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最初にやったのは、LINEグループを読むこと

ツールを決める前に、まず社内のLINEグループのやり取りを読ませてもらいました。

そうしたら、事務の方がすでにほぼ決まった型で報告していたんです。

「電話お問い合わせ/チラシ反響/反響日/お名前/住所/電話番号/ご要望/@担当 ◯日◯時 現調になりました」みたいな感じです。

必要な情報は、もうLINEにほぼ全部書いてある。足りていないのは、それを台帳に写す手間だけでした。

なので方針は、「新しく何かを書いてもらうのはやめて、LINEに書いたものを裏で写す」にしました。

仕組みの全体像

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流れとしてはこうです。

まず、いつもどおりLINEグループに書く。

それを記録係の公式LINEが受け取って、そのまま1行ずつ記録します。

雑談はこの段階で外して、残った発言からAIが名前や流入経路、状況、金額を読み取る。

自信があるものは顧客台帳へ、迷ったものは「要確認」へ入って、月末に月報ができる、という形です。

ちなみに、仕組みを作る作業(プログラム、データの整理、テスト、マニュアル)はClaude Codeでやっていて、毎日動いて仕分けているのはClaude APIです。

ここはよく混ざるので、分けて考えておくと分かりやすいと思います。

導入の手順は5つ

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正直、派手なことはしていません。

1. 記録用の公式LINEを作って、グループに招待する

もともと使っていた公式LINEは別の配信ツールとつながっていたので、記録用は新しく作りました。

ここでハマりやすいポイントが2つあって、1つはグループに参加する設定が最初はオフになっていること。もう1つは、1つのグループに入れられる公式アカウントが1つだけだったことです。先に入っていた通知用のアカウントを別のグループに移してから、記録係を招待しました。

2. 届いた発言を、そのまま「生ログ」に残す

GAS(Googleスプレッドシートで動くプログラム)で、届いた発言を1行ずつ書き込むだけにしています。ここでは何も加工しません。

あと、記録係を入れる前の過去のやり取りは取れないので、そこは最初に知っておいた方がいいです。

3. Claude APIで、必要な情報だけを仕分ける

「明日の集合9時で」みたいな雑談は、AIに渡す前に外しています。AIを呼ぶ回数が減るので、そのぶん費用も下がります。

残った発言から、名前、住所、電話、流入経路、工事の種類、現調日、状況、金額を読み取ります。「32万」なら320,000円に、「30日14時半」なら日時に直す、という感じです。

1通に2人分の話が混ざっているような、AIが迷うものは台帳に書かずに「要確認」に回すようにしました。間違ったまま台帳に入る方が後で大変なので、ここは一番気をつけたところです。

本番に入れる前に、実際のやり取り23パターンで試して、全部正しく仕分けられることを確認しています。

4. 既存の約870行を整理する

過去の顧客管理シートは、重複や表記ゆれがかなりありました。完全に重複していた5組をまとめて、判断がつかない105行には印をつけて、先方に見て決めてもらいました。

5. 月報を自動で出す

会議で使っている月報と同じ形にそろえて、毎月28日に速報、翌月1日に確定版が出るようにしています。流入経路別の件数と受注率も出ます。

ほかにも、現調日を過ぎたら自動で「現調済」にする機能と、金曜17時に止まっている案件をグループにお知らせする機能を入れました。

キックオフから本番のグループにつなぐまで、だいたい6週間です。

整理してみて分かったこと

既存の約870行を整理していて、一番驚いたのがここです。

ステータスが「現調」のまま止まっている行が、8割ありました。

現地調査には行っているんですけど、そのあと見積を出したのか、受注したのか、失注したのかが台帳に残っていないんです。受注や金額は、月報フォームや予算シートの方に書かれていました。

つまり、チラシ、紹介、ホームページのどこから来たお客さんが決まりやすいのか、過去のデータからは出せない状態でした。

もしSlackや新しいツールに移っていたら

Slackや新しい顧客管理ツールを入れて、「今日からこっちに書いてください」とお願いする選択肢もありました。

ただ、それだと書く場所が4か所目になるだけで、たぶん入力は続かなかったと思います。

そうなると「現調」で止まった行がまた増えるし、チラシにいくらかけるべきかも感覚で決めるしかない。件数は数えられても、どの経路が売上につながっているかは分からないままです。

数字はあるように見えるのに、一番知りたい数字がない。これが一番もったいない状態だと思います。

何から手をつけるか

順番としては、この3つです。

  • まず、今どこに、何を、誰が書いているかを並べる
  • 書く場所を1つに寄せる。新しく作るより、すでに書いている場所に寄せる
  • AIに渡すのはそのあと。AIが迷ったものを人に戻す道を、先に作っておく

データは、担当と担当の「間」で抜けていた

現場は現場でちゃんと報告していて、事務は事務で台帳をつけていて、社長は月報で数字を見ている。それぞれ、ちゃんとやっているんですよね。

でも「現調のあとどうなったか」だけが、現場と事務の間で抜けていました。

これは、営業とマーケの間で、商談化率や経路ごとの受注率を誰も追っていないのと同じ構造だと思っています。

なので、現場にお願いしたルールはほぼ2つだけです。

1つは、受注や失注が決まったらLINEに一言書くこと。「◯◯様 受注しました 59,000」くらいで大丈夫です。

もう1つは、お客さん1人につき1通で送ること。

これだけで、経路ごとの受注率がこれから貯まっていきます。

あと、AIに任せきりにはしないようにしています。

最初の月は月3〜4回、人の目でデータを確認してもらって、その後も2週間〜1か月に1回は仕分けのルールを見直す。電話のやり取りみたいなLINEの外の話は自動では入らないので、そこは今までどおり人が足します。

明日からやるなら

自社で、この4つを紙に書き出してみてください。

  • 新しい問い合わせは、どこに・誰が書いているか
  • 現調や商談の日程は、どこに・誰が書いているか
  • 受注と失注は、どこに・誰が書いているか
  • 金額は、どこに・誰が書いているか

同じ情報を2か所以上に書いているところがあれば、そこが自動化の入口です。

逆に、どこにも書いていないところがあれば、そこが今まで見えていなかった数字だと思います。

LINEグループで回っている地方の会社は、本当にまだまだ伸びしろがあります。

AIで速くなるのは作業で、売上を決めているのは今も商談です。だからこそ、商談の結果を取りこぼさずに数字に残すところまでやって、はじめて仕組みとして意味があると思っています。

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安松谷 直登(やすまつや) ミセス株式会社 代表取締役/セールス×LINEマーケ

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