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ChatGPTが、ついに眠らなくなった。

OpenAIが9月29日に発表した「dots(ドッツ)」は、会話を閉じたあとも仕事を進めるChatGPTです。Xで話題になっていたので、気になっていた人も多いと思います。

「名前は聞いた。でも、いつものChatGPTと何が違うの?自分は使えるの?」

この疑問、よく分かります。発表から1週間で使い方の投稿はたくさん出ましたが、その手前の「そもそも何なのか」でつまずいている声も多く見かけました。

以前、僕は「ChatGPT新機能『dots』で激変。ADHD社長の脳内を完全自動化」という記事を書きました。あれは社長向けの使い方の話でした。今回はその手前に戻って、dotsとは何かを公式の説明だけで整理します。

dotsは「もっと賢いチャット」ではなく、「自分専属の担当者がつく仕組み」です。

この記事では、いつものChatGPTとの違いを5つに分けて説明し、誰が使えるのか、日本ではどうなのかまで、公式ページの書き方どおりに書きます。最初に送る一言も1つ公開します。

では、始めます。

第1章:dotsは「会話が終わっても働く、自分専属のAI」です

dotsは、ChatGPTの中で動く「常時稼働のエージェント」です。エージェントとは、質問に答えるだけでなく、目的に向かって自分で手順を考え、作業まで進めるAIのことです。

OpenAIのヘルプページには、こう書いてあります。

> Your dot is an always-on agent in ChatGPT that can take on ongoing responsibility and keep making progress between conversations.

dotは、続く責任を引き受けて、会話と会話の間も仕事を進める常時稼働のエージェントです、という意味です。頭脳はGPT-6 Astraで、自分専用のクラウドコンピューター(ネットの向こう側にあるパソコン)を持っています。

仕事に使う道具は「プラグイン」でつなぎます。プラグインとは、GmailやGoogleドライブのような外のアプリを、ChatGPTから使えるようにする部品のことです。OpenAIの紹介記事によると、4,000以上のアプリとつながります。つなぐアプリと、そのアプリで何をしてよいかは、自分で選びます。

身近なものでたとえるなら、いつものChatGPTは「窓口の担当者」です。聞けば丁寧に答えてくれますが、窓口を離れたら、話はそこで止まります。dotは「自分の案件を持ち続けてくれる担当者」です。頼んだ件を覚えていて、こちらがいない間も進め、判断が要るところだけ聞きに来ます。

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「dots」は機能の名前で、自分のAIは1体ずつ「dot」と呼びます。作るときに名前を付けられ、形・色・目・メガネ・小物まで選べます。名前を付けると、呼び名も「@自分の名前-dotの名前」の形に変わります。

作る場所は、ChatGPTのデスクトップアプリか、パソコンのブラウザです。スマホでは作れません。作ったあとは、対応の更新が届けばスマホのアプリでも話せます。

ここまでで、dotsの正体がつかめました。次は、いつものChatGPTとの違いを5つに分けて見ていきます。

第2章:いつものChatGPTと違う5つ

全部を一度に覚える必要はありません。気になる違いから読んでください。5つとも、同じ形で並べています。

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違い①:会話を閉じても、仕事が続きます

いつものChatGPT:答えを返したら、そこで止まります。続きは、こちらが次に話しかけたときです。

dotの場合:会話と会話の間も進みます。公式の説明では、いつ休んでいつ再開するかをdot自身が決められます。裏で複数の作業を同時に進める仕組みもあります。

公式ページには、社外での集まりの準備を手伝う例が載っています。参加の返事が来るたびに人数を更新し、会場に見積もりの出し直しを頼む前には本人に確認する、という動き方です。

仕事に置き換えると:「来週までに、この件を回しておいて」と頼める相手です。

OpenAIの説明ページには、営業の提案書を最新に保つ使い方も載っています。提案書とお客さんの要望を渡しておくと、席数や条件が変わるたびに数字を直し、残っている確認事項を追いかけ、次に決めることを持ってくる、という使い方です。

中小企業の仕事に置き換えるなら、見積もりの返事待ちが近いです。いつものChatGPTなら、返事が来るたびに見積もりを貼り直して「直して」と頼みます。dotなら、案件そのものを預けておけば、変わった所だけ直した案と「次に社長が決めること」が戻ってきます。

違い②:自分専用のパソコンとブラウザを持っています

いつものChatGPT:会話の画面の中で答えを作ります。

dotの場合:クラウドに自分のパソコンとブラウザを持っていて、調べもの・データの分析・資料作り・ソフト開発まで進めます。公式ページには「こちらのパソコンの電源が切れていても、連絡でき、作業も続けられる」と書いてあります。

途中の様子は、dotのパソコンを開けばいつでも見られます。ログインのように自分でやりたい場面では「Take over(操作を代わる)」を押して自分で操作し、終わったら返せます。

ログインが要るサイトでは、dotからサインインの依頼が届きます。IDやパスワードは会話の外にある専用の入力欄に入れる仕組みで、会話の中に書く必要はありません。

自分の手元のパソコンをつなぐこともできますが、これは任意で、最初はオフです。つなげるのは一度に1台までで、使うときはそのパソコンがネットにつながり、ChatGPTのアプリが開いている必要があります。

会社員の1日に置き換えると、効くのは「席にいない時間」です。外回りや会議の間に、競合のサイトを調べて比べる表を作っておいてもらい、戻ったら中身を確かめる。自分のパソコンを開きっぱなしにしておく必要はありません。

仕事に置き換えると:自分の席とは別に、専用のパソコンを1台持ったアシスタントがいる状態です。

違い③:頼まれる前に、先回りして動きます

いつものChatGPT:聞かれたことに答えます。

dotの場合:つないだアプリの情報を、頼まれていなくても調べて、役に立ちそうな次の一手を提案します。公式はこれを「先回りの調査(proactive research)」と呼んでいます。

OpenAIの紹介記事には、試験的に使った人の例が載っています。出版社への請求書を出し忘れていることにdotが気づき、請求書を用意して、本人が承認したあとに送った、という話です。

ここで大事なのは、先回りの調査は「読むだけ」に限られている点です。公式ページによると、この調査ではメッセージを送れず、アプリの中身も変えられず、ブラウザやパソコンも操作できません。動くときは、改めて許可と確認を通ります。

公式の説明ページには、別の例もあります。先週共有した下書きと、新しく決まったことが食い違っていたら、dotが気づいて知らせる、というものです。

仕事に置き換えると:「そういえば、あの件どうなってます?」と先に聞いてくれる人です。

中小企業でいえば、請求の出し忘れ、契約更新の期限、会議で決めたのに資料に反映されていない数字。人が「あっ」と気づくのが遅れがちな所ほど、この先回りが効きます。

違い④:どこで話しても、同じ相手です

いつものChatGPT:会話ごとに話が分かれます。

dotの場合:ChatGPT・Slack・Microsoft Teams・電話のどれで話しても、相手は同じdotです。話す場所を変えても、別のdotになったり記憶が消えたりはしません。ChatGPTの会話画面にある電話のボタンを押せば、声で相談もできます。

記憶は2段構えです。ChatGPTにもともとある記憶から関係する分を受け取り、それとは別に、dot自身が好み・決めたこと・進めている仕事のメモを持ちます。公式ページには、このメモは「話した内容の全文記録ではない」とも書いてあります。

ただし、ChatGPTで話した内容が、Slackの会話にそのまま写るわけではありません。内緒で伝えたことを他の人に見せる前には、dotが本人の許可を確かめる、と公式は説明しています。

連絡の受け取り方も決められます。公式の例では、「いつもの進み具合はChatGPTに、判断が要ることはSlackに届けて」のように頼めます。電話を切ったあとも、頼んだ仕事は続きます。

仕事に置き換えると:メールでも電話でも社内チャットでも、話が通じている同じ担当者です。

移動中に電話で「あの件、先方の都合で来週に延びた」と伝えれば、事務所に戻ってパソコンを開いたときには、その前提で話が続きます。場所ごとに同じ説明をし直す手間が、まるごと消えます。

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違い⑤:使える人が、まだ限られています

いつものChatGPT:無料のプランからでも使えます。

dotの場合:料金ページの比較表を見ると、Free・Go・Plusでは「なし」です。使えるのは、Pro・Business Premium・Enterpriseの一部です。くわしくは次の章で書きます。

仕事に置き換えると:全員の机にある道具ではなく、まだ一部の人に配られている道具です。

会社のアカウントで使う場合は、もう1つ確認があります。Enterpriseは最初からオフで、管理者が有効にしないと使えません。紹介記事によると、Business・Enterprise・Eduの中身は、初期設定ではモデルの改善に使われません。個人のプランでは、データの設定で選べます。

ここまでで、5つの違いがそろいました。次は、一番聞かれる「自分は使えるのか」です。

第3章:安心して下さい。日本も公開対象です

はっきり言います。ここは、言い方を間違えやすい所です。

公式のヘルプと説明ページに書いてある対象は、次の3つです。

対象①:Pro 100・Pro 200・Pro 500(18歳以上。欧州経済領域・英国・スイスを除く) 対象②:Business Premium(世界で順次公開) 対象③:Enterprise(Edu・Healthcareを含む。ベータ版で、最初はオフ。管理者が有効にすると使える)

日本は、除かれている地域(欧州経済領域・英国・スイス)に入っていません。ただし、公式ページの中に「日本が対象」と名指しした文は見つかりませんでしたが、私の手元では使えています。

もう1つ、順次公開であることも書かれています。ヘルプページには、届くまで数日かかることがあるとあります。プランの条件を満たしていても、すぐに画面に出ないことがあります。

料金の目安も1行だけ書いておきます。ヘルプページによると、Pro 100は月100ドルです。最初のdotは、プランに追加料金なしで含まれます。Plusから上げるべきかどうかは、判断表にした別の記事で書きました。

「自分のプランでは使えない」という人も、がっかりする必要はありません。dotsの考え方は、いつものChatGPTの使い方にも持ち込めます。それは最後の章で書きます。

ここまでで、使えるかどうかの線引きが分かりました。次は、使える人が最初にやることです。

第4章:最初に送るのは「仕事の棚卸し」だけです

dotを作ると、dotのほうから自己紹介をして、手伝えそうなことを提案してくれます。公式の説明ページには、最初は「定期的に確かめたり更新したりしている仕事」から始め、最初の結果を見て直してから、任せる範囲を広げる、と書いてあります。

僕はベンチャー企業で15年間働いていた(営業担当役員)ので、人に仕事を任せる場面をたくさん見てきました。うまくいくのは、最初に全部を渡す人ではありません。相手に自分の仕事を知ってもらってから、1つずつ渡す人です。dotも同じ順番が合っています。

身構えなくて大丈夫です。プログラミングは一切いりません。最初の一言は、下のものをそのまま貼れば足ります。dotに自分の仕事を知ってもらうための依頼文の紹介です。

text
はじめまして。いきなり作業を頼む前に、まず私の仕事を知ってほしいので、次の順番で進めてください。
1. 私に質問しながら、私が毎週くり返している仕事を5つまで書き出してください。
2. その中から、dotに任せやすいものを3つ選び、理由を1行ずつ付けてください。
3. 3つそれぞれについて、つなぐ必要があるアプリと、私の確認が要る操作を書いてください。
この段階では何も実行せず、どこにも送らず、提案だけにしてください。

最後の1行が大事です。dotは送る・変えるといった操作ができるので、最初は「提案だけ」と決めておけば安心して話せます。

使い方は3つの手順です。

手順1:上の文を貼り、dotの質問に答える(箇条書きの短い答えで十分です) 手順2:出てきた3つの中から、1つだけ選ぶ 手順3:「まず1回だけやって、結果を見せて」と頼み、足りない所を直してもらう

たとえば営業の会社員なら、週次の売上報告・見積もりの更新・商談メモの整理あたりが候補に挙がるはずです。そこで3つ全部を渡さず、1つだけ試します。公式の説明ページにも、最初の結果を見て抜けを直してから、任せる範囲を広げるように書いてあります。

手順3で返ってきた結果は、一度きちんと読んでください。直してほしい点を言葉で返すほど、dotが自分のメモに「この人はこう進めたい」を書き足していけます。公式の説明でも、メモは新しい決定や優先順位に合わせて更新できるとされています。

この先は、目的別に別の記事を用意しました。

次の一歩①:公開から1か月は、dotsの利用がプランの枠に数えられません。この間に試す仕事は、5つに絞った記事にしました。 次の一歩②:毎朝の報告を頼むときの型は、テンプレートの記事にしました。 次の一歩③:Proに上げるかどうかは、判断表の記事にしました。 次の一歩④:海外の人が実際に何を任せているかは、10個まとめた記事にしました。

第5章:何でも任せられるわけではありません

最後に、dotsが効かない場面と、知っておきたい注意を書きます。

1つ目は、dotも間違えることです。公式ページには何度も「重要な結果と出どころは見直してください」と書いてあります。作業が終わった表示が出ても、それだけで頼んだ結果が届いた証明にはならない、とまで書かれています。

2つ目は、本人に戻ってくる操作があることです。アカウントに影響する操作や情報を外に出す操作の前には、自動の確認(Auto-review)が入ります。パスワードの変更のように、いつも本人がやる決まりの作業もあります。

3つ目は、消し方です。アプリとの接続を外しても、dotがそれまでに得た情報は消えません。dotが自分で書いたメモを消すには、dotごと削除する「Reset」が必要です。人事や個人情報の多いアプリは、つなぐ前に一度考えた方が安全です。

4つ目は、止め方です。「Pause(一時停止)」で止まるのは、今のメインの作業だけです。裏で頼んだ作業は「Activity」から、予定に入れた作業は「Scheduled」から、別々に止めます。

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dotsが使えないプランの人は、いつものChatGPTで「仕事の棚卸し」だけ先にやっておけます。上の依頼文の1と2は、普通のチャットでもそのまま使えます。dotsが届いた日に、渡す仕事がもう決まっている状態になります。

まとめ:dotsは「答える道具」から「任せる相手」への入り口です

最後に、この記事で一番伝えたいことを、もう一度だけ書きます。

いつものChatGPTとdotsの違いは、賢さの差ではありません。会話を閉じたあとも案件を持ち続けてくれるかどうかです。

会話が終わっても働き、自分のパソコンを持ち、先回りし、どこで話しても同じ相手で、そして使える人がまだ限られている。この5つを押さえれば、dotsの話題で置いていかれることはありません。

dotsは「もっと賢いチャット」ではなく、「自分専属の担当者がつく仕組み」です。

1から10まで覚えてから始める必要はありません。やりながら覚えるのが一番速いと、僕は考えています。

とはいえ、いきなり全部をdotに任せる必要はありません。やることは、1つだけです。

今週くり返している仕事を、5つ書き出してみてください。

使える人はdotに、まだ使えない人はいつものChatGPTに、第4章の依頼文を貼れば終わります。一度「任せる相手がいる」感覚を味わうと、窓口で毎回同じ説明をしていた頃には戻れなくなります。

AIは進化が本当に速いです。一人で最新情報を追い続けるより、実践している人から学ぶ方が、圧倒的に速いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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